HOME > 陶芸Q&A集


(1)陶芸がま購入にあたっての選定基準はどのようなものですか?

●以下の燃料別陶芸がま比較表を参考にしてください。

形態 電気 石油 プロパンガス 都市ガス
燃費(電気を10として焼成1回分比較) 10
操作性 全自動コントロールが可能 手動
設置建物条件 手動 専用建物が必要
換気・排気設備 換気扇で可能 煙突またはフードが必要
運転中の窯から放熱(窯の表面温度) 最高で60~80℃ 最高で炉内温度の10%
付帯工事(配線・配管) 電気工事(一次・二次側) 不要 プロパン配管工事 都市ガス配管工事
安全面 防火面が高い 部屋の換気への配慮(酸欠防止)
感電への配慮が必要 部屋の換気への配慮(酸欠防止)

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(2)電気がまで還元焼成できますか?

 できます。本格的な方法と簡易式とがあります。
■本格的方法
 ガスバーナーによる方式です。還元用として製造したかまが必要です。専用ガスバーナー(プロパンまたは都市ガス)を下部に装着し、燃焼ガスを吹き込みます。
※ 現在、ご使用の電気がまを途中で還元仕様に改造することはできません。
■簡易式方法
 木炭を使用する方法があります。木炭(備長炭が一番最適です)を作品の周りに点々と置き、焼成します。サヤ鉢の中で行うと効果的です。

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(3)酸化焼成と還元焼成は何ですか?

■酸化焼成
 作品が常に酸素(空気)と触れた状態で焼き終わることです。(通常、何もしなければ酸化焼成となります。)
■還元焼成
 作品が酸素(空気)と触れないようにしたり、作品中の酸素を奪い取らせるようにする焼き方です。(前述の「電気がまで還元焼成できますか?」をご覧ください。)

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(4)温度制御装置はどのような基準で選びますか?(当社比)

 それぞれの良さがありますが、最近の傾向としまして、コンピュータ式が大多数を占めています。
■電子式 該当形式(SN-K0型)
 特長…焼成スタートから終了までの各ポイントを点で制御します。タイマー設定・温度設定しますが、希望数値をそのまま設定するため分かりやすいです。
 短所…温度の上昇が直線的
■コンピュータ式 (プロコン・マイコン)
  特長…焼成スタートから終了までを曲線で制御します。入力済のプログラムで運転する場合は操作が簡単です。
 短所…多機能タイプのものは、慣れるまで時間がかかる。

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(5)土練機はどんな目的で使用しますか?また注意する点を教えてください!

 粘土の質、水分を均一にならし使用するに適した固さにするものです。
 指で押しても凹まないような硬い土、逆に柔か過ぎるような土は練ることができません。

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(6)粘土の扱いで注意する点を教えてください!

①保管するときは乾燥しないよう、水分を補給し、ビニールでしっかり包みます。
②異物が混入しないよう充分注意する、手で練ったとき、ケガの元になりますし、土練機に入れた場合、故障の原因となります。
③焼いた色が白くなる粘土は、鉄のサビが混入しないように注意します。焼いた時、茶系の色がでてきます。

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(7)素焼きで注意する点を教えてください!

①500℃までは温度をゆっくり上げる。(窯の大きさによりその時間は変わります。)粘土の水分蒸発と質変化で割れることがあります。
②素焼きする作品はしっかり乾燥しておくこと。
③作品同士重ねてもよいが、重なる面が広過ぎると熱の伝わりが悪くなります。

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(8)楽焼きと本焼きの違いは何ですか?

■楽焼き
 800~900℃という低温域で作品として完成させる焼き方です。使用する粘土・釉薬は専用のものを使用します。低温のため土が完全に焼き締らず、長く水を入れる容器等には向きません。主に茶碗・皿・置き物が多い。
■本焼き
 本焼き用の粘土・釉薬を使い、土が完全に焼き締るまで焼き、実用に耐える作品を得る焼き方です。一般的に焼成温度は、1,200~1,250℃です。

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(9)釉薬とは何ですか?

 高温で溶けてガラス質となり、焼き締った土となじみのよいうすい皮膜です。作品表面の装飾性、硬さ、緻密性、平滑性を与えるという目的をもっています。

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(10)粉末釉薬と液体釉薬の違いは何ですか?

 釉薬の製造は、ほとんどの場合、湿式で行います。原料と水をミル(紛糾機)に入れ、微粒子になるまで長時間、回転させます。液体釉薬はミルから出てきた液をそのまま容器に詰めたもの、粉末釉薬はそれを乾燥させたものです。それぞれの特長は下記を参考としてください。
■粉末釉薬
 粉末のままですと半永久的に保存できます。溶く水の量は素地への付着度合いを見ながら微調整する必要がありますが、欲しい分だけ溶かせばいという大きな利点があります。
■液体釉薬
 使用するときには、沈殿しているものを完全にほぐしてから、使用する必要があります。使用する都度、濃度の微調整が必要です。

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(11)釉薬が溶けてたれる原因は何ですか?

 原因として焼き方と釉薬の付け方に問題あると考えられます。
■焼き方
 温度を規定以上に上げすぎた場合におこります。
■釉薬の付け方
 釉薬の液が濃すぎたり、作品へ釉薬を厚く付けすぎた場合におこります。

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(12)焼成温度の設定は何を基準に決めたらいいのですか?

 作品に掛けた釉薬の溶ける温度が基準となります。
 釉薬には、全て溶解温度が表示されています。最高温度の設定は釉薬の溶解温度より20~30℃低目に設定し、最高温度の保持(ねらし)を1~2時間と長目にとると、「たれ」「煮え」などの失敗を防げます。

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(13)下絵と上絵の違いはなんですか?

■下絵
 素焼きした作品面に直接に描画することです。その上に透明性の釉薬をかけて焼き上げます。
■上絵
 一度本焼き焼成された作品の表面に描画することです。元の作品に影響を及ぼさない低温(700~850℃)で焼いて焼き付けます。下絵・上絵とも専用の絵の具があり、性質は全く違うものです。

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(14)素焼き・本焼きで破損・ヒビ入りした場合の補修はどうすればいいのですか?

■いくつかに割れてしまった場合
 陶芸用接着剤で破損面どうしを接着します.まる1日置いてから、釉掛けし、焼成します。ただし、釉薬は透光性のない種類がよいでしょう。
※ 陶芸用接着剤は高温になったとき、いったん溶けて軟らかくなりますので、吊り下がった状態の破損面には向きません。
■ヒビ入りの場合
 髪の毛程の細いヒビは硬いヘラ等で、ヒビの上を押し潰すようになぞっておくと、上に掛けた釉薬で被服されます。前述以上に開いているヒビは、本焼きしますと更に大きく開いてしまう場合が多いですから、修復はあきらめるしかありません。

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(15)粘土の使用温度はどれくらいですか?

 教材用焼き粘土には、楽焼き用と本焼き用の2種類があります。
■楽焼き用粘土(野焼き粘土)
 700~900℃の範囲で使用します。急熱急冷に耐えられるよう、粗い粒子が配合されています。本焼き用に使えないことはないですが、中にはヒビが入ったり、変色したりするものがあります。
■本焼き用粘土
 焼成温度の表示のない粘土は、一般的に1,180~1,260℃の範囲で使用します。楽焼き用には使えません。

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(16)陶芸がまのヒビ割れはどのように補修しますか?

 1ミリ程度以下のヒビでしたら何もする必要はありません。
一般的に炉壁剤がレンガ・耐火キャスタブルであった場合、焼成しますと炉壁材が膨張し、再び冷めたとき、どこかにヒビとして残ります。かなりの頻度使用し、1.5mm以上のヒビが生じましたら補修剤をヘラで押し込みます。補修剤としては壁面・床面は「AS-1」、天井面は「FF-1」が適当です。

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(17)電気陶芸がまの保守管理はどのようにしますか?

 どんな機械でもそうですが、使用間隔はあまり空けない方が良いようです。2~3ヶ月空くようようでしたら、次に使用するときには、空焼きをした方が作品にとって良いと思います。

●制御装置にホコリが入らないよう注意します。
●かま全体に雨風が当たらないよう注意します。
●上扉型・横扉型ともパッキン材が使用されているものは欠けたり、凹んだりしていないか注意します。
●ヒーター線の表面に粉が吹いてきたら、刷毛や筆ではらい落としてください。

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(18)土練機の保守管理はどのようにしますか?

 使用しない時でも、3日に1度は運転して下さい。(長くとも1週間に1度は運転してください。)なかでも粘土が固まりますと羽根を折ったり、モーターが焼き付いたり、というような大きな故障の原因にもなりかねませんので注意してください。

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